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01/04/28 相場の張り方(その7)
テクニカル分析について4
パラメーターについて(その2)
世の中には膨大の数の「相場に勝つ方法」関連の本が出ています。ファンダメンタル関連もあればテクニカル関連もあるでしょう。それら市販されているテクニカル関連をどうやって自分の物にできるかが、まさにこのパラメーターの問題です。
移動平均、RSI,ギャン、メモンタム、新値、かぎ足、ポイント&フィギャー、乖離、一目均衡表、・・・何故本の例では「ピッタル当たる」のに実際使ってみると当たらないのでしょうか?いくつかの解決策があります。
一つは、ファンダメンタルと組み合わせて見る方法です。一般的に一番よく使われる方法です。「業績もよく、株価も上昇局面なら、買っといても大丈夫」という考え方です。
二つ目は、いくつかのテクニカル分析を組み合わせることです。全て「買い」を示したときに「買う」という方法です。
三つ目は、パラメーターをいじることです。例えば本の中では「10日と25日」を使っているのに、自分は9日と23日を使ってみる、という方法です。
ここではパラメーターの変更について書きます。一つ目の「ファンダメンタルとテクニカルの融合」については後ほど書きたいと思います。2つめの「いくつかのテクニカルの組み合わせ」もいずれ書くかもしれません。
パラメーターに何を使っているかは「秘中の秘」で誰も教えてくれません。教える場合は前回書いたように「信者を作って餌食にする」と考えた方が自然です。これは自分で探るしか方法がありません。
がどうやってパラメーターを探ったらいいかという方法はあります。
1. 哲学から入る
「本来どうあるべきか」からスタートします。「人間は普通ならば、10日前のことは忘れるはずだ」とか「10日前の印象は昨日起こったことの半分程度の印象しかもたないだろう」という考え方を元に、パラメーターを決めていく方法です。簡単に言えば、自分の思い込みが社会の評価と一致することに賭けることになります。
2. 検証をしまくる
とにかくパラメーターをいろいろと入れて、一番会うのを見つける方法です。この検証の方法には2つあります。
例えば、「過去1年間を調査期間として、移動平均のゴールデンクロスによる取引の収益性が最も高い2つの移動平均の組み合わせ」という過去をチェックする場合と、「ある一時点を基準にして、その一年先とその後3ヶ月間の収益性の関連が一番高い移動平均の組み合わせ」をチェックする方法です。
言い方を変えれば「過去一番当たったパラメーターは何かを見つけて、それを使う方法」と「過去と未来の関連が一番強いパラメーターを見つけて、それを使う方法」です。
何となく「正解」を見つけられそうな気がします。しかし、問題もあります。膨大な計算を行う必要があることです。日々、過去一年間は1日づつ変化します。昨日の過去一年間が2000年4月28日〜2001年4月27日でも、本日の過去一年間は2000年4月29日〜2001年4月28日となるからです。
そのため、最適パラメーターも毎日計算しなおす必要があります。収益計算を何度も何度も計算するわけです。全ての銘柄が同じパラメーターを持つ保証はないので、銘柄ごとに計算します。
例えば対象の移動平均線が3日〜25日の23本、対象銘柄が50銘柄あったとすれば、計算するケースは23×22×50÷2=12.650となります。一方、取引時間が午後3時に終わってから、翌日の取引が始まる午前9時までの時間は、18時間です。64,800秒です。ということは、5秒に1銘柄のペースで計算をする必要があります。
対象銘柄の引値をヤフーで調べて、エクセルに入力・・・といったことをしてたら絶対に間に合いません。株価は自動入力になっていて、高速で計算可能なコンピュータを持つ必要があります。
結論から言えば、こんなことは個人では不可能です。では誰がやってるのでしょうか?いわゆる「クォンツ系のヘッジファンド」という人たちがやってます。アメリカのヤフーでhedge
fund と入力するといっぱい運用会社が出てきます。これらの会社のいくつかは上記のようなことをやってパフォーマンスを稼いでいる(稼ごうとしている)会社です。
個人がやる場合は上記1と2の折中になります。「ある程度思い込みで見込みをつけて、2〜3のパラメーターの組み合わせでよさそうなのを選ぶ」ということになると思います。
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