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01/04/18 相場の張り方(その6)
テクニカル分析について3
パラメーターについて(その1)
前回テクニカル分析の背景にある「哲学・もの事の基本的な考え方」を説明しました。今回はパラメーターについて書きたいと思います。
まず、チャートブックとかヤフーの株価情報には「株価がローソク足」で示され、大抵移動平均線と一緒に掲載されています。ちなみにローソク足は寄付値(日足の場合はその日最初についた値段)、高値、安値、終値の4つのファクターでかかれます。
問題は「何日移動平均を使うか」です。一般的には日足では「短期に10日線、長期に25日線」が、週足では「短期に13週線、長期に26週線」が使われることが多いです。
現在は一週間に5日取引日があるので、過去2週間と1ヶ月の取引をあらわすのが10日線と25日線です。また13週と26週はそれぞれ、3ヶ月と半年に相当します。「きりがいいから」使っているわけです。
しかし、本当にこの10日、25日、13週、26週を使うのが相場の今後を予想するのに最適な期間なのか?という疑問が湧いてきます。どうして11日ではだめなのか?15週ではどうか?「人のうわさも49日」というが、これは7週間ではないか?・・・このようにテクニカル分析を行い場合の計算の基礎となる「数字(日・週・月)」を何にするかが問題となるわけです。この基準となる数字をパラメーターと呼びます。
また別の例もあります。新値分析というのがあります。新しい高値を付けたらその値段をチャートをグラフに描き、その値段を上回る高値が出るまでグラフをそのままにします。その値段を上回る値段を出た時にだけ、グラフにその新しい高値(新値)を付け加えます。これを続けていって、直近の3つの新値を下回る下げがあった場合は、安値の新値が始まったと判断して、この値段を下回ったときに、新い安値(下げの新値)を付け加えます。現在高値の新値を更新中なら「トレンドは上」、安値の新値を更新中なら「トレンドは下」という判断をします。
この場合、何故新値は3本なのでしょう?4本でも、5本ではいけない合理的な理由はあるのでしょうか?
(注:新値分析の場合、よく使われるのは、3本、5本です)
この場合は「新値の数」がパラメーターになります。
このパラメーターというのは非常に重要で、テクニカル分析で相場に勝つには「良いパラメーターを見つければいい」とも言えます。「ある短期移動平均線とある長期移動平均線がゴールデンクロス(短期線が長期線を下から上に突き破ること)があれば、その株は確実に上昇する」ということが保証できるならば、必ず相場に勝てるわけです。
ところが、問題はこのパラメーターにあります。もしある人が10日移動平均と25日移動平均が確実な相場の勝ちを保証してくれることを見つけたとします。でもやがてそれ以外の人もそのことに気づくでしょう。そうなると相場を操縦することもできます。10日線と25日線のゴールデンクロスを自分で作ればいいのです。するとそれを見ている他の投資家が「これは確実に上昇する」と確信を持って買ってくるわけですから、本当にその株は上昇することになります。資金を持っている人間が在る銘柄を買い占めれば可能になります。が、本当にこのゲームは続くのでしょうか?
相場を作りにいった投資家はまず利食いに走るでしょう。大抵信用など無理して相場を作っているわけですし、どこかで反対売買をしないと投資利益が確定できません。この最初の投資家を儲けさせるために、「移動平均信者」の買いがあるわけです。最初の投資家が利食うために売った後で、「移動平均信者」が売りたくなったとき、誰が買ってくれるのでしょうか?
このように、一般的に使われているパラメーターを使うには注意が必要です。一般的に使われているので「信者」が多いので、ある程度今後を予想する目安になります。が一方でそれをそのまま使っていると相場には勝てないで、相場操縦の「餌食」になるわけです。
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