99/11/8 インフレ対策(その1)
現在はデフレが心配されるなかで、インフレの心配をするのは時代錯誤の感じもします。しかし、今後20-30年間を対象としたシニアの投資期間を考える場合、将来のインフレの可能性を除外することはできません。
前回のおさらいですが、インフレの原因は「原材料の値上がり」「円安」「景気」の3つがあると書きました。それぞれの場合に最も値上がりするものはなにでしょうか。
まず、原材料の値上がりです。でも一言原材料といっても無限にあります。大きく分けて「金属」「燃料」「食料」があります。実際取引できるのはあるのでしょうか?
貴金属は金のプラチナがコイン・地金の形で買えます。非鉄金属はアルミ・銅を先
物で対処する程度です。鉄はまず個人が取引することは不可能です。燃料も灯油を
買って自宅に備蓄するというのは現実的ではありません。せいぜい原油の先物を取
引する程度です。食料も同じく先物で大豆・小豆・とうもろこしなどが取引できる
だけです。
しかし、商品先物を個人がましてシニア世代が簡単にできるでしょうか?実際には「そんな危険なことは出来ない」と考えるのが普通です。こう考えてみると、個人でできるのは貴金属のコインを買う程度です。しかし、コインは非常に手数料の高い投資方法でもあります。
結論から言えば「金貯蓄口座」がお勧めです。毎月一定金額の金を買うわけです。
金の高いときは少し、安いときは多く買うことができます。また先物のようにレバレッジがかかるわけではないので、追証など追加の現金支出がありません。安心してじっくり投資できます。また手数料もコインを収集することにくらべてはるかにやすくなっています。
一方、表面のリスク(先物の値段の上下)より本当リスク(生活水準の変動の
リスク)に関心のある方は、総資産の一定金額を商品先物でヘッジする方法があり
ます。例えば米国のシカゴ市場(シカゴ・マーカンタイル・イクスチェンジ= CME)で上場しているゴールドマンサックスの商品先物インデックス(
GSCI)があります。
このGSCIというのは株式市場では日経平均に相当するものです。金属・燃料・食料を含んだ商品市場のインデックスです。この上下が全体としての商品市場の上下を表しています。この商品を取引するには、米国の商品先物会社に口座を開設する必要があります。ヤフーなどで見つけられます。例えば米国の商品先物会社はここをクリックしてください。
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