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99/10/12 シニアの資金のリスク=インフレ

シニアの基本的な収入は「公的・私的」の年金です。(あたり前ですが)。先週書いたように最大の敵はインフレです。では現在インフレのリスクはあるのでしょうか?ここ数年に限ればインフレのリスクは余りありません。世界的な商品価格は安定していますし、現在世界的に工業製品は過剰供給です。また先日の台湾大地震で半導体に値段は短期的に反発していますが、技術革新を背景に長期的トレンドは下落です。即ち、一次産品・工業素材製品そしてパソコンをはじめとする情報機器ともに傾向としては下落・安定基調にあるといえます。

では「今後」はどうでしょうか?例えばシニアが今後30年間を想定して資産運用をする場合インフレをどのように考えればいいのでしょうか。正直言って今後のインフレがどうなるかなんて誰にもわからないのです。例えばプロのファンドマネージャーなら分かるのでしょうか?答えは「わかりません」
ただ分からないにしても、自分の意見は持っていて、それを理論的に説明できるだけです。(もし長期インフレ率が確実に予想できれば、ファンドマネージャーほど楽な商売はありません。)ではなぜわからないのでしょうか?それは予想するには不確定要素が多すぎるからです。

もし米国の穀倉地帯に大干ばつが起きたら?日本に大地震が起こったら?日銀が国債を引き受けを続けた結果円が暴落したら?(このままいくとそうなります)ロシアで民族主義者による革命が起こったら?アフリカの人口が伝染病で急減したら(実際いくつかの国でエイズにより人口増加率は急減している)・・・

それではわからないならば何もできないのでしょうか?それもまた否です。いわゆるヘッジというのは出来ます。インフレになれば値段が直接動くものを取引してインフレになったら儲かるようにしておけばよいのです。

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