経済的混乱と対処法
具体的にはペソの暴落、円の暴落、ペソ金利の下落、地価の暴落などです。
しかしこの問題は一概に有利・不利とは言いがたいのです。
1. ペソの暴落
ペソの暴落は一方ではペソ建ての資産(ペソの現金はもちろん、家・ゴルフ会員権・ペソ預金など)の価値の暴落を意味します。例えば99/10/1現在1ペソは約2.6円ですが、これが1ペソ=2円に22%価値が下がったとします。ペソ建ての資産を1,000万ペソ持っていたとすると、2,600万円から2,000万円まで600万円損をすることになります。
しかし、もし円建ての年金をもらっていたらどうなるでしょうか。一ヶ月20万円の年金は最初76,900ペソだったのが、100,000ペソに増えます。年金収入の価値の上昇にもなるのです。
2.円の暴落(特に対ペソに対して)
現在の日本は大幅な輸出超過で、一方でフィリピンは貿易赤字の国です。一般的には円がペソに対して暴落するということは考えにくいのです。可能性があるとすれば、
@ 日本、特に首都圏に壊滅的な地震が起こること、
A 日本の財政問題が一段と悪化し円への信頼が低下して、輸出企業が本社をアメリカなどに移して円転をしなくなること。
ぐらいでしょうか。この場合は1番と逆になります。月々の生活費が厳しくなりますが、資産価格は鉛管算では上昇します。
3. ペソ金利の下落
ペソは一般的に金利の高い通貨です。対外バランス(海外との貿易・投資の結果の資金のネットのやり取り)が赤字で、常にペソが売られやすいなかで、インフレ率が高いからです。この3年間でも1年のペソ定期預金の金利は8%から20%程度です。(銀行のレベルや、中央銀行の通貨市場への介入姿勢によりかなり変わる)
この高金利は、金利生活者である退職者に取っては魅力的です。では金利が大幅に下落したらどうなるでしょうか?現在の日本のように余りありがたくない状況です。
でも金利が低下している状況は、「今よりフィリピンの経済状況が大幅に改善している状況」ということになります。ペソも強い動きを示しているでしょう。株価も不動産価格も堅調でしょう。要はペソ建ての資産価格は通貨・現地価格両方とも上昇して非常に上がることになっているわけです。
4.地価の暴落
単純にいって地価の暴落は賃貸している人に有利、住宅購入者には不利になります。
5.解決策は?
大抵の経済動向は「ある面は有利・ある面は不利」という性格を持つようです。
では、どうすればこのような危険を避けることができるのでしょうか?今後10年20年先を予想することは誰にもできないので、これが一番という方法はありません。
しかし、昔から言う「財産3分法」が一つのヒントになります。例えば
@ 通貨はペソ・ドル・円に分けて持つ、
A 現地の家を購入したら、通貨はドル・円を中心に持つようにする。
といった配慮でリスクを分散するわけです。
一つがやられても、他で取り替えして、全体ではまずまずという作戦です。
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