<フィリピン経済および不動産について>

1. 株式市場について

3月25日のメールマガジンで、「米国の金融緩和の終了」

をきっかけに市場が動揺し、フィリピンの株価も(数か月かけて)下がると書きました。

利食い推奨は正解でした。

しかし、私の予想より市場のリアクションは格段に早く、「緩和終了するかも」と

バーナンキ議長が述べた段階で、すでに下落が始まりました。

さらに中国問題(短期金利の急騰)もあり、下落が大きくなっています。

今後は、米中の金利状況とフィリピンのインフレ率が焦点となります。

ペソが対ドルで下落に転じており、この流れが継続すると、インフレ率が

上昇します。利上げを市場が見込み始めると、一気にバブルが崩壊します。

海外からの送金という、ペソ買い材料が、どこまでペソを支えるのか?

が重要となります。

2.不動産について

ところで、もし、フィリピンでの不動産を購入することを考えているのならば、

以下の点にご注意ください。

1)価格は今後下がりそう

先行指標であるフィリピン株式市場が、高値からかなり下落しています。

不動産価格は、余熱でまだ堅調を保つと思いますが、数か月のちには

上昇が止まります。

(日本の場合も株価は1989年末に高値、1990年の前半に大暴落しましたが

不動産は、それから1年程度高値を保ちました)

上昇ペースが鈍ると、投機的な買いも止まります。

これは、投機家は借入コストがかかるので、不動産価格が上昇しないと

金利コスト分、マイナスになるためです。


こうなると、不動産(特にマンション)の売れ行きが低迷します。

開発業者も金利負担が怖いので、売れ残り物件を安値でさばき始めます。

焦って買う必要はありません。

2)限界供給者に注意

限界供給者とは、現在の不動産の上昇相場に乗って一儲けしようとする、

財務体質の弱い(無理して開発している)、開発業者のことです。

日本人は法律上、マンションしか(自分名義では)購入できません。

そして、フィリピンで気を付けるのは、「プリセール(完成前販売)依存のマンション」

です。

財務体質の弱いマンション開発業者は、手元に資金があまりありません。

このため、プリセールや頭金で資金を集めながら、マンションを建設

します。完全な自転車操業です。

(だから、プリセールは完成品より安いのです)

不動産価格が下落し始める → 購入者が減る → 資金が続かなくなる

→ 建設が続けられなくなる → 建物が完成しない

この場合、頭金などお金を払っているのに、建物が完成しないリスクが

あります。


1998年のアジア通貨危機の時には、マニラおよびマニラ郊外には建築途中で

放り出されたマンションが、いっぱいありました。

どうしても今不動産を買いたいのならば、上場している大手の物件に絞って
購入することがお勧めです。

(焦らない方がいいと思いますが)



ハッピー・リタイアメント・イン・フィリピンもご参照ください。

http://www.cityac.com/happyrt/index.html


その他、フィリピンリタイアメントについては、下記までご連絡ください。

ehaya001@hotmail.com


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