<フィリピンの株式市場および経済情報について> キャピタル・アセット・マネージメント社の運用している、「フィリピン株式ファンド」の2012年5月の月次レポートによれば、フィリピン経済および株式市場の状況は下記の通りです。 フィリピン総合指数は、5月末で5,091.23ポイントと前月末比2.1%の下落となりました。欧州債務問題の再燃等で月の前半は下落しましたが、後半には企業業績好調等のニュースで上昇して月末を迎えました。なお、5月末の通貨フィリピン・ペソは、前月末比5.3%ペソ安・円高の1.80円(投信協会発表値)となりました。 ■ フィリピン株式市場: 欧州債務問題の再燃などの外部要因等で下げるも、月後半は大きく戻す展開に。フィリピン総合指数は、5月末で5,091.23ポイントと前月末比2.1%の下落となりました。年初来では16.5%の上昇となっています。ギリシャの政局不安、欧州債務問題の再燃、米国経済の先行き不透明感、中国の景気減速懸念などの外部要因のほか、フィリピンと中国の間で起こった南シナ海スカボロー島の領有権問題が悪材料となり、月初の5,300ポイント水準から4,800ポイント台まで下落しました。しかしながら、月の後半になると、他の新興国、先進国株価が引き続き低迷するなか、企業業績の好調やM&Aなどのニュースが伝えられた企業の株価がけん引する形でフィリピン総合指数は切返し、5,000ポイントを回復して月末を迎えました。個別銘柄では、マニラ電力、フィリピン長距離電話、フィリピンアイランズ銀行などが売られましたが、一方で港湾施設経営のインターナショナル・コンテナ・ターミナル・サービス、電力会社のファーストジェン、銀行大手のバンコ・デ・オロ・ユニバンクなどが買われました。なお、5月末の通貨フィリピン・ペソは、前月末比5.3%ペソ安・円高の1.80円(投信協会発表値)となりました。 ■ フィリピン経済: GDPは予想を上回る伸びとなり、インフレも安定。ムーディーズが格付け見通しを引上げ。 ◎2012年第1四半期(1〜3月)のGDP成長率: +6.4%と予想を上回る伸び。国家統計調整局が5月31 日に発表した今年1〜3月期の国内総生産(GDP)は、大方の市場予想を上回る前年同期比+6.4%となりました。サービス業の好調や個人消費の底堅さ、輸出の回復などが成長に貢献し、前年同期の+4.9%から大幅に加速、2010 年第4四半期以降で最も高い成長率です。良好な消費者信頼感やインフレの安定化などに支えられ、GDPの70%を占める個人消費が6.6%の成長率を記録しています。 ◎4月のインフレ: +3.0%と前月を上回るも、中央銀行の目標圏内4月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比で+3.0%と、前月の+2.6%を上回りました。食品や燃料などの価格上昇が背景にあります。ただし、依然として、フィリピン中央銀行のインフレ抑制目標圏内に収まっていることから、低金利政策は継続されることが予想されています。 ◎格付け: 格付け見通しを「Ba2(安定的)」から「Ba2(強含み)」へ引上げ−財務基盤の強化を評価格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは29 日、フィリピン国債の格付け見通しを「安定的」から「ポジティブ(強含み)」に引上げました。同社は、昨年6月に「Ba3」から「Ba2」に引上げています。今回の見通し引上げについて、フィリピン政府が支出抑制と徴税強化に取組み、財政赤字の縮小や国内総生産(GDP)に対する政府債務比率が低下している点を挙げ、「フィリピン政府は財政運営面で慎重さを維持している」と指摘しました。加えて、法制化に向けて国会審議が行われている酒・たばこ税の法案が成立すれば、一層の歳入増が期待できるとコメントしました。 ■ 今後の見通し: 外部要因に比較的強いフィリピン。金融緩和や財政支出等で株価は戻す展開を予想。世界銀行は、「ユーロ圏の信用不安など外部要因に左右される度合いが小さいことから、フィリピン経済は堅調を維持できる」との見解を示しています。財政赤字、インフレ率がコントロールできる水準にあることから「マクロ経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)は強固だ」と指摘し、信用不安で揺れる欧州への輸出依存度が低いことから「先行き不透明な外部の経済環境のショックを吸収できる強い立場にフィリピンはある」と述べています。インフレ率の落ち着きからフィリピン中央銀行は引き続き金融緩和政策を継続すると予想されます。また、景気刺激のための一層の財政支出、特に官民連携事業(PPP)の政府支出を増加させると見られ、今後もフィリピン経済は堅調に推移すると考えられます。したがって、欧州債務問題等で世界的に株式市場が調整するなか、フィリピンの株式市場は、戻す展開になると予想されます。特に、消費関連株、インフラ関連、銀行などの銘柄が恩恵を受けると見ており、これらの業種を中心に投資する計画です。 下記のウェブサイトに、さらに詳しいデータが掲載されています。 http://www.capital-am.co.jp/products/pdf/firipinkabu_getsuji.pdf フィリピン株式にご興味のある方は、下記のウェブサイトに掲載している証券会社から投資できます。 http://www.capital-am.co.jp/products/popup04.html <退職ビザ、現地の視察> バロントラベル マニラオフィス :担当 伊藤にご連絡ください。 メールアドレス: ito@barontravel.jp その他、フィリピンリタイアメントについては、下記までご連絡ください。 ehaya001@hotmail.com |